サビはなぜ発生するのか?
屋根を新設してから10年以上メンテナンスを行わずに放置すると、塗装膜の防水性が低下し、屋根トタン素地まで水分が到達することでサビが発生します。
トタン出荷時に施されている工場焼付け塗装の耐久性が10年程で、塗替えシリコン塗装は平均して8年程の耐久性なので、その年数を目安に塗替えしていくと、屋根を良好な状態で維持できます。
メンテナンス期間を超えて放置期間が長くなるほど、サビの発生リスクが高くなります。
↓ 新築から10年経過 | ↓ 新築から14年経過 |
こうした通常の経年劣化によるサビの他に、塗替え工事で下地処理を怠ったことが原因で早期にサビが発生するケースをご説明させて頂きます。
サビの表面は凹凸状で、脆く不安定な酸化鉄が浮き上がり空洞も発生します。そのようなサビの上から直接塗装しようとしても、酸化してボソボソになっている表層には塗料はしっかり付着しません。
このようにとても小さな凹凸や空洞・隙間には、粘度の高いドロドロした塗料が行き渡るのは難しく、反対に粘度の低いサラサラした水は簡単に隅々まで行き渡り、サビが拡大していきます。サビを処理せずに塗装すると直ぐにサビが再発するのはこの為です。
また、中途半端なサビ処理の上に塗装した場合、不安定で脆い酸化鉄の形状がふとした時に崩れ、そこに出来た小さな隙間から水分が入り込み塗装膜が蓋の役割をしてしまい、水分の蒸発・乾燥を阻害し、塗膜下では常にジュクジュクした状態が続きます。この状態では驚くことに塗装前よりもサビの進行スピードが加速してし、最終的には屋根トタンに穴が開くほどの腐食が発生してしまいます。