解説<7>

塗膜剥離、サビの再発を防ぐ下地処理とは?

 

いきなりですが、「北海道のトタン屋根塗装の下地処理として何をイメージされますか?」と聞かれた場合、高圧水洗浄作業をイメージされる方が多いのではないでしょうか?
しかし下地処理としては、いくら高圧水といっても水圧のみに頼るのには限界があります。車を所有される方であればご経験がおありだと思いますが、洗車場に設置されている高圧水を使っても表面の泥と埃くらいしか取れず、スポンジで擦ってようやくこびりついた泥汚れのみが取れる程度の効果しかないのが、下地処理としての高圧洗浄の限界です。

サビ再発を防ぐ研磨処理
↑塗膜剥離、サビの再発を防ぐ研磨下地処理

ましてや自動車より厳しい環境下にある屋根は、さらに強力に付着物がこびり付いているとお考え下さい。
そのこびり付いた粉化塗膜(チョーキング層)、変質塗膜、その他付着物を削り落とし、密着性の良い下地を作るには高い労力が必要となります。

力を入れて表層を削り落とします
↑力を入れて屋根表層を削り落とします
研磨前、後
↑左が研磨前、右が研磨後です
サビは念入りに除去
↑サビは念入りに除去します

下地処理作業の労力比は下図のようになります

  必要時間 労力比
高圧水洗浄 約0.3人工
研磨タワシやワイヤーブラシ 約0.3人工
手作業での研磨 約1.5人工

※1人工=8時間で計算

労力が軽い研磨タワシやワイヤーブラシでは隅々までの研磨は難しいので、簡易的な下地処理としての位置づけになります。

研磨タワシかけ

研磨タワシは目が粗く、

研磨タワシ

固い塊状なので、細部の研磨は難しい

ワイヤーブラシかけ

ワイヤーブラシは更に目が粗く、

ワイヤーブラシ

間隔も広すぎる

上の表のように研磨紙による手作業研磨は、高圧水洗浄や簡易下地処理と比較して5倍以上の労力が必要な作業です。
重要性の高くないものに多くの労力を割くと作業コストが上がり費用対効果が下がりますが、屋根トタンの塗り替え作業において、手作業による下地処理は労力以上の効果が現れる、非常に費用対効果の高い重要作業です。

研磨紙を使った手作業による下地研磨処理が、どのように優れているかをご説明します。

紙製のサンドペーパー

紙製のサンドペーパー

紙製のサンドペーパー

柔軟性が高く研磨剤の密度が高いので十分な研磨効果を得られます

研磨タワシ

研磨タワシは固いので細部には入りません

ワイヤーブラシ

ワイヤーブラシも細部には対応できません

サンドペーパー
↑サンドペーパーは折り畳み、角部分を使うと細かい隙間もしっかり研磨ができます

屋根トタンのハゼ折り返し部位には、必ずと言っていいほど埃や泥が詰まっています。
折り返し部位の清掃・研磨作業が不十分だと、塗膜剥離が発生しやすくなるので要注意箇所です。
サンドペーパーには柔軟性があり、どんな形状にも対応できます。

ハゼに土埃が溜まっています

↑ハゼ折り返し箇所には土埃が溜まっています

研磨紙擦り後

↑研磨紙で確実に土埃を除去できます

研磨作業にはごみを除去するほかにも、既存下地に細かい傷をつけることによってその傷が塗料の足掛かりとなり、塗料の密着性を大きく向上させる役割があります。

トタンに発生したサビ
トタンに発生したサビ
塗膜の変質

塗膜が変質して裂けています

凹凸状のサビ

凹凸状にサビが進行しています

 

サンドペーパーによる研磨
↑サンドペーパーを使って研磨します
研磨後の表面
↑非常に細かい傷が無数に付きました。この傷が塗料の足掛かりになって密着性を向上させます

 

屋根塗装は下地処理で価値が決まるといっても過言ではありません。
グリーンペイントでは手間をしっかりかけた確実な下地処理を行っています。

10日ほどで使用する研磨紙

10日ほどで使用する研磨紙の量

使用済みの研磨紙

使用済み研磨紙

 

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