解説<5-a>

塗膜剥離は何故発生するのか? 下地処理不足の場合

塗装後に塗膜がバラバラと剥がれるのには複数の原因があり、1つは下地処理不足による密着不良です。
塗膜は下地に密着していないと簡単に剥がれてしまいます。

塗膜に割れが発生しています
↑きれいに見えますが、よく見ると塗膜に割れが発生しています
割れているところを削ると
↑割れているところを削ると
中には土埃
↑ひび割れた塗膜は浮いていて、その中には土埃が詰まっていました。
前回塗装時に土埃が詰まっていた個所を下地処理せず、そのまま塗装したことが剥離の原因です

屋根は高い所にあるので下から見るとよく判りませんが、近づいて見ると実はとても汚れています。

カラスが食べたごみの油跡
↑カラスがゴミを漁った油跡。この油分は完全に除去しないと確実に塗装が剥がれます。
黄砂、花粉、土埃

黄砂、花粉、土埃

花粉と土埃が溜まったもの

花粉と土埃の塊が雨水で集められたもの

上記のようなものの他に、変質した塗膜等も中途半端な強度で付着しています。
大気中の酸化物質や酸性雨などの影響で、変質した塗装膜が浮き上がり表面が裂け、その中に泥や珪藻類が入り込みます。その異物が湿気を帯び、トタン素地を腐食させます。

ハゼに黒い汚れ
↑ハゼ付近に黒い汚れのようなものが付着しています
変質した塗膜に珪藻類が付着
↑マクロ撮影。変質して凹凸状に裂けた塗膜に黒い珪藻類が付着しています

ここにあげた例は一例ですが、このように屋根には様々な付着物がこびり付いていて、下地処理なしでいきなり塗装すると、間違いなく塗膜剥離が発生します。

 

← 前のページへ戻る

  解説<5-b>へ →

コメントは受け付けていません。